家庭のカレンダーも旧暦版表示、沖縄と旧暦の深~い関わり

西表島を含む沖縄は非常に旧暦の生活リズムが色濃く残っています。

多くの行事ごとなどは、現在でも旧暦に合わせた日取りで行われています。

各家庭にあるカレンダーも新暦と旧暦の両方が記されてるのが一般的になっています。本土ではほとんど無いと思います。

それぐらい、島の人々と旧暦とは生活に深い関わり現在でもあるといえるのでしょう。

では、そもそもなぜ現在に至るまでも、旧暦が根強く残っているのでしょうか。

様々な要因があるかと思われますが、いくつか考えて見ましょう。

代表的な理由の一つは、古く琉球王朝の時代から中国の文化の影響を非常に多く受けてきたことにあります。

この旧暦の発祥は中国にあります。月の満ち欠けの運動を参考に作られました。その証拠に”中国暦”と呼ばれることもあります。

いわゆる、太陰暦にあたるわけですが、この太陰暦を参考にし、季節の変化を測り、苗植えや種まきの時期、漁のタイミングなどを予測していたと思われます。

この琉球王朝は、暦だけではなく、いろいろな文化やモノ、芸術、技術などを中国から学んできた事実が歴史上残っています。

いかに中国との貿易が琉球に影響を及ぼしてきたのかが分かりますね。

もう一つ、根強く旧暦が使われた理由は、沖縄が海に囲まれた島国たっだからではないかと考えられます。

海の変化、台風などの大きな災害、南国ならではの天候の急激な移り変わりなど、自然現象を図り予想するには、旧暦の月の運動がどうしても必要だったからではないかと思われます。

そういった人々が生き残ってゆくための一つの手段として、旧暦のリズムが必要不可欠となっていき、独自の文化となり根付いていったのでしょう。

とくに旧暦のリズムを重んじている人種が海人です。

旧暦は、前述の通り、月の運動を参考に作られています。これは海の潮の満ち干きと連動した動きになっています。

いつ潮が満ち、いつ潮が干くのかをわかっていなければ船は出せません。命にも関わる重要なポイントです。

まさに旧暦のリズムは、その海の運動も的確に表しているのです。

新月→1日 満月→15日 新月→1日と新月から新月の期間を1ヵ月とはかり、1日にかけて行われる潮の満ち引きの運動を割り出し、漁を行っていたのです。

これは、今の時代の漁師さんも当然の知識として頭に入っていることですね。

新暦に比べて、非常に自然の摂理に近く寄り添った時の流れを感じることができるリズムです。

本来人間も自然界の住人として、地球の呼吸にあった、自然と調和した生活を求めていくべきなのかも知れませんね。

それが、西表島の人々の生活の中に残っているという事になりますね。

年中行事もそうですが、今後も島人が自然とともに生きていくうえで、両者を繋ぐ大切な営みを表しているものが旧暦にはあるのでしょう。

新暦で行われている多くの行事も、本来の意味を見直すと間違った時期に行われているのも多くある可能性はありますね。

新暦を否定するわけではありませんが、生き物らしく生きていくには、本来旧暦が適しているのかも…。