天然ジャングル、ここは本当に日本か?ピナイサーラの滝

東京から約2,000キロ、沖縄本島から約400キロ南西に位置する西表島。

島面積は、県内沖縄本島に次ぐ2番目の広さを有しています。島全体の9割が亜熱帯性の自然林で覆われてます。

まだまだ手つかずの自然が多く残っていて、貴重な生物も多数いて東洋のガラパゴスという呼び名も頷けます。

地形は山が多く、古見岳469.5m、テドウ山441.2m、御座岳420.4mと県内では標高の高いクラスに入る山が存在している。

さらに川筋も何本もあり、山の奥深くから壮大なマングローブを通り海へと流れ出ています。

山から海までの川筋の途中には、急な斜面の地形も多くあり、いくつもの滝が形作られています。

日本の滝100選に選ばれているマリユドュの滝、神の座といわれるカンピレーの滝、現在観光の目玉として年間数多くの人々が訪れるピナイサーラの滝。

深い森の中にあるそれぞれの滝は、爽快で見るものを癒すと共に大迫力の存在感を感じることができます。

今回は、屈指の観光地となっているピナサーラの滝をご紹介していきましょう。

地図上で見ると、ちょうど島の中心から真北に位置し、地区にすると島内の西部地区に属する位置にあります。

島を通る県道215線からも森の濃い緑色の合間を流れ落ちる滝の白筋を肉眼で確認ですることができます。特に大雨の後にはより滝幅も広くなり滝つぼに注がれる際の音まで聞こえてきそうな勢いになります。

落差は55メートルと沖縄県最長であることも観光として人気の理由の要因であると考えられます。

ピナイサーラという名前の由来は、ピナイ=ひげ、サーラ=垂れ下がる、の意から成り、遠くから見ると”老人の垂れ下がった白髭”に見えることからこの名が付いたとされています。とてもボキャブラリーに優れたネーミングですよね。

滝上から眺めは目を見張るものであります。エメラルドグリーンの東シナ海が一望でき、お隣「鳩間島」、珊瑚の島「バラス島」もはっきりと確認することができます。

やはり滝つぼまでの55mという高さは、滝上から下を望むと足元がすくわれる感覚になり、ちょっとした恐怖感さえ感じることになります。

さらに眼下に広がる広大なマングローブも、世界有数の規模であり見るものを圧巻します。

このマングローブの中をカヌーや近年ではSUPで漕いで滝を目指す道のりも、ピナイサーラの滝が観光客の中で人気のある大きな理由の一つであることは間違いないでしょう。

滝壺では、55mから注がれるマイナスイオンを全身に浴びながら、優雅に浮き輪で遊ぶ姿も多く見られます。場所にっては水深も深く、囲まれた岩から一斉に飛び込む人々も見ることができます。

西表島の大自然が作り出すこの壮大な滝ピナイサーラ。滝を取り囲む深緑、マングローブの林の中を縫う様に流れる川。この全ての風景が都会からやってくる人々に、非現実的な感覚と癒しを感じさせてくれているのでしょう。

何万年と続く島の自然の営みが、こういった形で現代に生きる人々の生きる活力になっているのですね。